meishi2展のフリー部門に参加した

 遊舎工房で開催されたmeishi2展のフリー部門にwaitierという1キーキーボードで参加しました. 2022/09/17から2022/09/25の期間だけ遊舎工房店頭に展示されています.


meishi展

 前回のmeishi展の様子は以下の記事にまとまっています.

akiba-pc.watch.impress.co.jp makezine.jp

 meishi展はちょうど天キー2の開催時期と同時期だったこともあり専用に設計をする余裕がありませんでした. そこで元々長辺が名刺サイズ(91mm)のKagaMidgetを少し拡張し,名刺サイズ(91x55mm)になるように修正して転用しました. アクリルをこれでもかと積層した結果,そのマッシブなフォルムで周囲を圧倒していたようです.

meishi2展

 今回のmeishi2展はやや余裕があり,7月中旬から9月中旬までの2ヶ月ほどの設計期間がありました. しかしながら色々とやりたいことを詰め込むには2ヶ月はやや短くも感じます. 万が一設計に問題が発生した場合のリトライ期間も考慮すると9月に入る前には一旦完成している必要がありました. 久々の締め切り駆動開発だったのである程度やりたいことを絞り込む必要がありました.

shop.yushakobo.jp

RP2040

 waitierでやりたかったこと,1つ目はRP2040です. キーボードに用いられてきた手頃なMCUが軒並み手に入りづらい状況が続いています. そんな状況の中でもRP2040だけは比較的在庫が潤沢で,今後設計するキーボードへの採用も視野に入れたいです. そこにQMKのRP2040への正式対応. meishi2展にはRP2040を使えと言わんばかりのタイミング.

 RP2040はATMega32U4に比べると周辺部品点数がやや多くなります. 設計ガイドラインの例に倣って設計するとパスコンの数も多く,フットプリント全体の面積も広いです. そのため,0402サイズの部品を積極的に使用することになりました. フラッシュやレギュレータの選定含め,次回RP2040を用いた設計時に活かせる有意義な検証となりました.

PCB積層

 waitierでやりたかったこと,2つ目はFeuille64に引き続きPCB積層です. 名刺サイズにどこまでPCBを詰め込んで奥行き感を出せるか,に挑みました. Feuille64の4層に対してwaitierは10層のPCBを重ね,全体では合計14種のPCBで構成されています. Feuille64に比べるとかなり奥行き感のある立体的な外観に仕上がりました.

 イラストはFeuille64同様にどぅび(@ksdb2)さんに描き下ろしていただきました. 構図だけでなくPCBの構成部分の検討までご協力いただき,無理難題に応じていただけて非常に助かりました. Feuille64からワークフローを改善したこともありKiCADへのデータの落とし込みもとてもスムーズでした. Feuille64やwaitierに用いたワークフローはいずれどこかで何かのかたちで公開できればと考えています.

まとめ

 ということで今年初めて設計したキーボードは名刺サイズのwaitierでした. そしてここまで読んだ方はどこがキーボードなのか?という疑問は抱いていないはずです. キーボードに対する固定観念を捨てることができています. 正常です. いい調子です.

 他にもさまざまな名刺サイズのキーボードが展示されているmeishi2展のフリー部門は09/25(日)までですので,遊舎工房店頭まで足をお運びください. また,今回waitierの製造時にPCBの製造品質をある程度高くした都合上,若干数ではあるものの販売できる余剰分が発生しました. 近々Boothの方で販売を行うと思いますので,積層されたPCBの内側に何があるか気になる方はご検討ください.

この記事はAcperience70とXperia 5 IIIで書きました.